A Map for Peace of Mind

保険を全部見直して
スッキリした話

4児の父がFP3級の地図で削った固定費

子どもが増えるほど、不安は大きくなる。
でも、保険は「増やす」ではなく「減らす」を選んだ。
金額ではなく、考え方で固定費を軽くした記録。

2026年6月 · 読了 約7分 · 固定費を整えたい子育て世帯向け

この記事でわかること

  • 子どもが増えても、保険を「増やさない」と判断した理由
  • 「すでに入っている保険」=公的保障の棚卸しのしかた
  • 固定費を6つに分けて、削る・残すを決める2つの軸
  • 月次10分で回る、固定費見直しの仕組み化

Chapter 01

子どもが増えるほど、
不安は増える

4人目が生まれたとき、まず頭をよぎったのは「保険、足りているだろうか」だった。子どもが増えるたびに、「もしものとき、この子たちを守れるのか」という不安は確実に大きくなる。

不安なときの自然な反応は、保険を増やすことだ。安心を、お金で買い足したくなる。でも一度立ち止まった。「不安だから増やす」は、本当に正しいのか。増やせば、固定費も増える。毎月、確実に出ていくお金が、家計に重く積み上がっていく。

固定費は、一度見直すと効果がずっと続く。

だからこそ、感情で足し算する前に、一度ちゃんと棚卸しする価値がある。

ちょうどFP3級を学んでいた時期だった。お金の体系的な地図を手にして、その地図を頼りに、保険と固定費を全部見直してみることにした。結果として、家計はスッキリし、不安はむしろ小さくなった。順を追って書いていく。

Chapter 02

「すでに入っている保険」を
棚卸しする

FP3級を学んでいちばん効いたのは、「自分はもう、かなりの保険に入っている」という気づきだった。民間の保険にではない。公的保障という名の、入りっぱなしの保険にだ。

会社員や、その家族には、知らないうちに効いている公的な備えがある。代表的なものを挙げると、こうなる。

高額療養費制度

医療費が1か月で一定額を超えると、超えた分が戻ってくる。大きな病気でも、自己負担には上限がある。

遺族年金

働き手に万一のことがあったとき、残された家族に年金が支給される。子どもが多いほど手厚くなる仕組みがある。

傷病手当金

病気やケガで働けなくなったとき、一定期間、収入の一部がカバーされる。「働けない間」の備えがすでにある。

育児期の給付(育児休業給付など)

育休中の自分にとっては、これも「働けない期間」を支える公的な備えだった。制度は近年も拡充されている。

これらは全部、「すでに入っている保険」だ。民間保険を検討する前に、まず公的保障でどこまでカバーされているかを知る。すると、民間で本当に埋めるべき「穴」は、思っていたよりずっと小さいと分かる。

FP3級の6分野は、この公的制度を体系的に教えてくれる。資格そのものより、この「地図」が手に入ることに価値があった。地図の話は別の記事(FP3級で学ぶ、一生モノのお金の教養)に書いた。

Chapter 03

固定費を6つに分けて見る

保険だけ見ても、家計の全体像は見えない。そこで、固定費を6つのカテゴリに分けて棚卸しした。一気に全部やろうとすると挫折するので、箱に分けるのがコツだ。

カテゴリ 見直しの着眼点
通信使っている量に対して、プランは合っているか
保険公的保障と重なっている部分はないか
車・移動維持費に見合う使い方をしているか
住居大きい固定費。動かしにくいが、影響も大きい
サブスク惰性で続いている、使っていないものはないか
光熱契約プラン・基本料を見直す余地はあるか

固定費の怖さは、一度契約すると意識から消えることだ。毎月自動で引き落とされ、見直されないまま何年も続く。「気づいたら払い続けていた」が、固定費では当たり前に起きる。

逆に言えば、ここが効きどころだ。変動費(食費や娯楽)を毎日コツコツ我慢するより、固定費を一度直すほうが、家計へのインパクトが大きく、しかも長く続く。一回の見直しが、何年も効くのだ。

Chapter 04

削った順番と、削らなかったもの

手をつける順番は、「効果が大きく、生活の質を落とさないもの」からと決めた。我慢を増やすのではなく、気づかず払っていた無駄を消すイメージだ。

まず通信から始め、次にサブスク(使っていないものの解約)に手をつけた。保険は、公的保障を棚卸ししたうえで、重複している部分を薄くした。「不安だから」で入っていたものを、「この穴は公的保障で埋まっている」と確認できたものから外していった。

ここで大事なのは、削らなかったものもあることだ。残した保険には、ちゃんと理由がある。保険を残すかどうかは、「不安の量」で決めない。次の2つの軸で決めた。

残した

公的保障では埋まらない、かつ、起きたら家計が傾くリスク(働き手が長期に働けなくなる等)。ここだけは民間で備える。

薄くした

公的保障と重なっている、または、起きても家計が傾かない範囲。安心料として払いすぎていた部分。

この2軸で仕分けると、判断が感情から離れる。「怖いから全部残す」でも「節約だから全部切る」でもない。埋まっていない穴にだけ、保険を充てる。結果として、家計全体の固定費は1割ほど軽くなった。それでいて、守りはむしろ前より明確になった。

Chapter 05

一度やれば、効き続ける

見直しは一度で終わりではない。家族構成も、制度も、契約も変わる。とはいえ、毎回ゼロからやり直すわけでもない。一度「箱に分けて棚卸しする」型を作ってしまえば、次からは差分を見るだけで済む。

自分の場合、家計をClaudeで可視化したとき、固定費の内訳が一枚の図になった。どのカテゴリが重いか、一目で分かる。数字を眺めて悩む時間がなくなり、月次の見直しは10分ほどで終わるようになった。可視化の話は別の記事(家計をClaudeで"全部見える化"した話)にまとめている。

自分のスタイルは

読む → 試す → 仕組み化

一度直して、放っておいても効く状態を作る。

努力で我慢し続けるのではなく、効き続ける仕組みにしてしまう。固定費の見直しは、その仕組み化がいちばん素直に効く領域だった。一回がんばれば、あとは効き続ける。

Chapter 06 — むすびに

不安は、煽るものではなく
分けるもの

保険の見直しでいちばん難しかったのは、数字より気持ちのほうだった。「減らす」という言葉には、どうしても不安がつきまとう。

妻テストで言うと

「保険を減らす」と切り出すと、最初は不安がられる。だから金額の話から入らない。「これは公的制度でここまで守られている。だから民間で備えるのはここだけでいい」と、守られている範囲を二人で一緒に確認した。範囲が見えると、減らしても怖くなくなる。

不安は、煽るものではなく、分けるものだ。「すでに埋まっている不安」と「これから埋めるべき不安」を分ける。分けてしまえば、向き合う相手はぐっと小さくなる。漠然とした「もしも」が、具体的な「ここだけ」に変わる。

家族を守るのは、保険の本数ではない。

何に、どう守られているかを知っていること。

FP3級は、その地図をくれた。地図さえあれば、不安は減らしても、ちゃんと守れる。4児の父として、いま実感していることだ。

※ 本記事は個人の家計見直しの記録であり、特定の保険商品の推奨ではない。公的制度の要件・金額は世帯の状況や時期によって変わる。実際の判断は、公的機関の一次情報や、FP・社会保険労務士などの専門家に確認のうえで行ってほしい。
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